今年も桜が美しい季節になった.

桜ほど日本人の美意識と良く合った花は無いとつくづく思い,
本書を手に取ってみた.


(本書の内容メモ)

嘘の連鎖からの覚醒を期待

―現代日本人のアイデンティティの「漂流」は
その場しのぎの「嘘」で塗り固められた
憲法の制定・教育方針に遡る

―憲法または教育に端を発した
「事なかれ理想主義」は
日本人の精神を換骨奪胎し
戦後神話という砂上の楼閣を建設し
本来克服すべき本質的な問題点から
日本人の目を背かせるものであった

―60年後再評価された日露戦争の例
を見ても時間による解決への期待は高い

→いまこそ覚醒し
積み重ねてきた嘘の連鎖を清算すべき


■ 戦争へと至った経緯

―震災対応に追われて中国対応が遅れた日本,

―中国に対してシビアな対応を取る英米,
対照的に事なかれ主義で問題を先送りにした日本

―英米にコンプレックスを持ち
中国に対して弱腰外交を続ける外相

―中国では世界恐慌のなか排日運動が盛んになったが
日本は政府は空しく繰り返される「厳重に抗議」を
繰り返すばかり
 
―また,近年公開された外交文書で明らかになった
暗躍したソ連のスパイたちによる工作

例)ハル・ノートの起草者,
尾崎秀実(近衛内閣のブレーン),
(スパイという証拠はなないが)不自然な
陸軍統制派や松岡外相の動き

―そして日本の世論は暴走する・・・


■ 日本文化・歴史の希少性
 
―万世一系の天皇を戴く立憲君主国

―神話を期限とする唯一の君主

―「最高権力者への歯止め」としての宗教は
世界各国で見られるが,

「無宗教」という宗教を信じる日本人にとっての天皇は
「世俗性」を超越した「祈る君主」

―小泉八雲がその著書で指摘する
日本が神道・仏教からもらったものは,

「天皇と国家のことを思」い,
宿命を「永遠の法則として甘受する」
独特の道徳力

―日本文明は6(7)大文明の一角
ポスト「パックス・アメリカーナ」の一翼を
一国で担う責任がある

―「明き浄き直き誠の心を以て」
「和魂」忘れずに

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所感

日本人のこころを改めて知ろうという目的で
読む場合は,最後の章だけ読むのが良い.

前半から中盤にかけては
現代の日本人の意識に対する課題提起が主となっている.

戦後から現在に続く憲法や教育方針が悪だったかは
容易には決めつけられないところだが

60年以上にわたる硬直性や
その内容や内容に対する一般的な解釈・評価
に「不自然さ」が残る,
ということについては
客観的に見てもそうだと思われる

戦争へと至った経緯については
既に知っていることも多かったが
改めて見るとまるで現代の話のようで
ゾッとする

「過ちは繰り返しません」
と言ってはいるが,繰り返さない保証など
どこにもないと思えるくらい

当時の日本と現代の日本は,
悪い面では本質的には
そう変わりが無いように思える

日本の文化・歴史については,
アイデンティティの一部として
頼りにするだけでなく,

少しかじっただけでも,
実際に自分の生き方に活かせることが
多そうである. 

無償の愛や宿命の甘受など
普段考えていることと重なる点が多いことに驚いた.

解を求めるための補助線として
2,660年以上にわたる叡智を借りていきたい