読んでみた。

海賊とよばれた男 上
百田 尚樹
講談社
2012-07-12


エンタメとしては、
とっても面白い作品です。

次々と難解な壁にぶち当たり、

しかも大抵は「四面楚歌」状態
なんですが、

仲間と一緒に正義を貫き、

ぎりぎりのところで
立ちはだかる「悪」を打ち破る。

さらっと軽快に読めて、
すかっと爽快で、

それでいて心に残る何かがある、

そんな素晴らしい作品です。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

一方で、

モデルが存在するとはいえ、
完全な「ノンフィクション」
というわけではないので、

これをそのまま
「人生の教科書」にしてしまう
わけにはいきません。

そのため、
「感想を書け」といわれると

最も困ってしまう類の作品
かもしれません。

それでも今日は本書の感想を

2つの視点から
書き残しておき たいと思います。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

まず、一点目は、

本書を何かに「役立てよう」
という視点から。

私たちの人生が、

「理想」と「現実」の間で
折り合いをつけていくもの
だとすれば、

完全なノンフィクション
ではない本書は、

「現実」のあり方は
教えてくれませんが、

「理想」を思い描く際の
参考にはできるはずです。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

実際、
例えば私の場合、

リーダーには、時には、
周囲全員に反対されてでも
やり抜く「覚悟」も大切、

ということを、具体的に
考える良い機会となりました。

私はこの本を
「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」
の後に読んだのですが、

ベゾスも、

『海賊とよばれた男』の主人公、
国岡鉄蔵も、

どちらも優れたリーダーです。

そして、
どちらにも共通して、

「社員全員に反対」されてても
「独断専行」を貫いた
(こともあった)

というような話があります。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

私たちは、
小さい頃からなんとなく、

「独裁は悪いこと」と教わり

実際に選挙や国会なども
「多数決」で運営されている
ので、

「そうでない」話を
具体的に知ることは、

「多数決」と「独断」

ふたつの考え方の中で、
バランスをとるのに
必要なことだと感じました。


このように「概念」を知り、
「理想」を描くのに、

「フィクションかどうか」
は関係ありません。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

それから、ベゾスの本との
比較というところで
もう少しだけ追加すると、

この二人の間には違うところも
もちろんあります。

アマゾンはどうしても
日本人からすると、

「成果をあげなければ
追い出される」

欧米型の、個人主義的な
会社に映りますが、

対照的に
『海賊とよばれた男』の会社
「国岡商店」は、

古き良き日本のベタベタな
会社全体が「家族」のような
会社です。
 
これも、

自分がどこを目指すのか?

バランスをとる上で
二つの「極」をよく知る

という意味では、

本書がフィクションかどうかに
関係なく、

役立つことだと思います。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

こんなふうに、

例えフィクションだとしても
学べるポイントはあります。

理想を描くための
視点をくれる、
という意味で本書は、

オトナにとって
リアリティのある

「少年ジャンプ」的な
ものかもしれません。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

それから、
もうひとつの感想は

「2.5次元」の
エンタメの可能性を
強く感じたということです。

私の言う「2.5次元」というのは、

理想(2次元)と
現実(3次元)の中間で、

リアリティのある、ファンタジー。

「現実」世界を舞台とした、
「理想」的な物語。

本書にしても、
「半沢直樹」にしても、
「あまちゃん」にしても、

「現実」を物語の入口に
うまく使っています
 
現実の不確実性が
想像を超えてしまうような
昨今において、

「入口のリアリティ」
は必須の要件なのでしょう。

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

まあ、必要以上に色々と
書いてしまいましたが、 

そもそも面白い上に、
なんだか役にも立つ、

ということで 笑
是非お楽しみ下さい!