例えば片山杜秀著
「未完のファシズム」には、

「明治憲法のしくみは、
天皇が大権を保持し、

しかも天皇の統治行為は
「しらす」でなくてはならず、

下々は分権
というわけですから、

これでは論理上、
誰もリーダーシップをとれない

という結論になってしまいます」

とあります。

(注:「しらす」は、強権的でない
リーダーシップを指している)

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敗戦の反省として、

「リーダーシップの弱さ」や
「長期的展望の欠如」、
などが挙げられることは多く、

さらにその原因として

「空気を大切にする」
日本人の「国民性」と並んで、

このように、「縦割り」システムの
構造的な「欠陥」が挙げられる
ことは珍しくありません。

そして、戦後70年近くを経た今
なお先の敗戦の反省が
そうして注目を浴びるのは、

「リーダーの不在」や
「縦割り」といった「問題点」と
評される事柄が、

現代日本にも当てはまる
「現役バリバリ」のガンだと
目されているから

に他ならないのでしょう。

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ですが、ここでちょっと
考えてみたいんです。


本当にわが国は、

国民性もシステムも
改めなければならない

のでしょうか?

チーム「日本丸」は、

現場が強いボトムアップ型
の組織ではなく、

リーダーが強いトップダウン型
の組織に

変わらないといけない
のでしょうか?

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私も戦略コンサルにいたときは、

日本に必要なのは、

ビジョンを持った強いリーダーと、
その参謀が描く優れた戦略、

彼らのビジョンや戦略を実現する
手段としての秩序ある組織や
効率の良いシステム、

などと考えていた時代がありました。

でもその後、
ITの世界に身をおいてみて、

まったく逆のこと
感じるようになりました。

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競争のルールが激しく移り変わり
資本集約的でなく参入障壁も低い
ITの世界では、

大切なのはスピード

スピードを高めるために、
IT業界をリードする多くの企業は、

どちらかというと、
現場で意思決定をさせています。

DeNAの創業者、南場さんは
ピラミッド型組織に対する概念として
「球体」組織を提唱してますし、

IT業界というとドライなイメージ
がありますが、
最大の資産は「人」だという
会社が多いのも、

それだけこの業界で
「ヒト以外の資産」がもつ
不確実性は高い
ことを
示しているものと思います。

また、サイバーエージェントさんの
「アメーバ」的なグループ経営や

「事業計画をつくらない」
LINEさんのように、

戦略ありき、目標ありきの
決定論的アプローチよりも、

人ありき、行動ありきの
結果論的、確率論的なアプローチ
が成功している業界でもあります。

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このような業界に身をおいてますと、

何も、戦中戦前の反省は、

現代においてはそのまま
当てはまらないのではないか?

と思うようになりました。

グーグルやアップル、アマゾンといった
海外のトップ企業のことも
もう少し調べる必要はありますが、

少なくともIT業界においては、

欧米型のリーダーシップや
システムが有利とは思い難い

ところがあります。

しかも、前述の通り
こうしたIT業界の特性は、
業界の変化の激しさに由来
するものですが、

変化が激しく、
未来が予測不可能なのは

今の時代、
世界全体がそうです。

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何事にも
ITを「道具」として活用する
ことが当たり前となった昨今、

そもそも「IT業界」という
領域の考え方自体が不自然
であって、

世の中が全体的にこれから
どんどん「IT業界的」になっていく、

という方が実態に合っている
ように思います。

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そのとき、

そのとき。


そんな世の中になるとしたら、

昔から、
「強いリーダがいない」
代わりに「現場が強い」
日本には、

近道がある
気がします。



場を作るのが得意な
無私のリーダーを戴き、

10年後の未来は見えなくとも、
三千年の伝統に信倚し
3秒後の未来のために行動し、

合理的(構造的機械的産業的)
に金融資本を活用することは
苦手でも、

経験的(進化論的確率的職人的)
に層の厚い人的資本を総動員する、

サトヤマやAKBや少年ジャンプ

のようなエコシステムを
無数にデザインできるなら。

「日本」がそういう
プラットフォームになれるなら。


何だから、今なら。

この時代なら。


人と仕組みを無理やりに
欧米型に改める
のではなく、

日本流のリーダーとシステムで
ポストモダンまたはその次の時代
を生き抜く
方法が、

あるような気がしませんか?



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